名目賃金(Nominal Wage)と実質賃金(Real Wage)は、賃金を異なる観点から表したものである。

 名目賃金は労働者が受け取る賃金の総額であり、インフレや物価の変動を考慮せずに額面上の金額を表す。たとえば、毎月の給与として受け取る現金額やボーナスが該当する。

 実質賃金は名目賃金からインフレなどの物価上昇を差し引いた、実際にどれだけの購買力があるかを示す賃金を表す。物価が上昇すると、同じ額の名目賃金であっても実質的に購入できるものが少なくなる。

 名目賃金が毎年増加していてもインフレ率がそれ以上に高ければ実質賃金は減少し、生活が苦しくなる可能性がある。このため、賃金の上昇とともに物価変動も重要な要素として考慮される。

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