起業家が企業をつくる上でのみならず、従業員ひとりひとりにとって重要なのが「企業理念」である。昇給(すなわちお金)に興味がある労働者にとって企業理念はあまり興味がわかない対象かもしれないが、実は企業理念は従業員が昇給を実現していく上でも重要な意味を持つ。(この点に関しては、別の機会で詳細に触れる)
企業理念とは、実現すべき社会的価値を意味する。主な社会的価値としては、以下のようなものが挙げられる。
・娯楽
・教育
・衛生
・通信
・医療
・格差是正
・貧困撲滅
・環境保全
・安全な水
・豊かな自然
・健康と福祉
・食の楽しみ
・平和と公正
・気候変動対策
・ジェンダー平等
・クリーンエネルギー
・技術革新と産業発展
・働きがいと経済成⾧
・便利で快適な街づくり
原則として、あらゆる企業は何かしらの社会的価値を生み出すために活動を行う。社会的価値を生み出すのは企業の責任だが、そのための自己犠牲は許されない。ここでの自己犠牲とは、企業の犠牲だけでなく、従業員の犠牲も含まれる。
日本では、商売を行う上で「三方良し」という言葉がある。この言葉は、商売を通じて売り手、買い手、そして社会の三者が得をすることが望ましいという考え方である。すなわち、企業は自らの活動を通じて、以下のような様々な利害関係者に価値を提供していくことが求められている。
・顧客
・株主
・地域社会
・従業員
・サプライヤー
・政府
・環境
+さらなる「三方良し」
「三方良し」という概念は数百年前に生まれたものだが、現代社会にはさらに一歩進んだ「さらなる三方良し」が望ましいと考えられている。
近年では、この図が示すような将来においても三方にとって良い状態が維持される「持続可能な三方良し」が注目されつつある。
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